2014年11月24日月曜日

「Microsft Officeはどこに行くのか!?」を予測する(3)

前回までは、現状分析したことをお伝えしました。

Windows95以降は、Windowsというパソコン用OSでパソコンの世界市場を独占状態してきました。その状況が20年近く続き、マイクロソフト社はそれを最大活用してきました。つまり自社の意向に沿うように市場をコントロールすることをしてきました。それは、パソコンの機能を実現できる機器がパソコン以外で十分なパフォーマンスを出すことができなかったからです。

21世紀に入り先進国においては、企業で使用するパソコンは、一人一台の時代になり、家庭においてはパソコンがほとんどの家庭に入り、高速インターネット接続ができる環境が標準となってきました。

ところが、携帯端末の性能が急速に向上しパソコンと同等のパフォーマンスになってきました。そのパフォーマンスを活かす製品が作られ、新たな市場(スマートフォンやタブレット端末)が形成してきましたが、マイクロソフトは見誤りその波(勢力)に乗り遅れてしました。

かつて、IBMがパソコンを玩具と思って本腰を入れなかったときと同じように、携帯電話の可能性を低く見ていたのかもしれません。

そのような状況から市場をコントロールするすることが不可能になってきました。よって、戦略的に方向転換していかなれればならなくなったと見えます。

世界標準に対応

パソコンの世界ではマイクロソフト社の仕様が業界標準、世界標準でした。ところが、インターネットはIEEEなどの標準化組織によって、通信やアプリケーションについて多くの規格が世界標準として確定しており、それに遵守することが当たり前となっていました。(誰もがインターネットの恩恵を受けられるようにオープンが前提です。、実際そうしないと世界と接続できません。また、別の仕様で行うことはかなりのリスクがあります。)

ここにも、マイクロソフト社独自の世界を入れようと、 ブラウザの「Internet Explorer」(以下IE)に、IEでないと正常に表示できない仕様がありました。

たしか IE8 から標準規格を積極採用し、最新のIE11 は世界標準が基本になっています。
このようにマイクロソフト社製品は世界標準を標準とした製品を提供する様になってきました。

脱、マイクロソフトへの道

クラウドの登場と普及にり、自社でサーバーを所有し管理するよりも、クラウド上にサーバーを構築して運用する企業が増えてきました。
クラウドの初期段階は、安全性に疑問を持つ企業が多く、インターネット用のサーバーに限定してクラウドでサーバーを構築していました。

社内に構築する基幹系サーバーのことをオンプレミスと区別していましたが、最近は、安全性が高くなり、クラウド上のサーバーと暗号化通信で接続して社内と同じ感覚て使用する企業が増えてきました。また、システムの導入・運用コスト削減のために、オンプレミスとしていた基幹系のサーバーをクラウド上に仮想サーバーとして構築して行く企業が増えてきました。

Officeにおいても運用コスト削減は、ユーザー企業から多く出ていた要望事項となっていたと思います。1千台、1万台という台数のパソコンを管理しなければならない企業にとって、頭を抱える問題だからです。

それに応えるサービスが、クラウドサービス「Office365」です。
ライセンス形態を変更し、MS Officeについて常に最新版を使用することができるようになります。

ユーザー企業の情報システム部またはそれに相当する部署してきた管理を、マイクロソフト社がすることを意味しますので、コスト削減策として期待が大きいです。

しかし、常に最新にしなればいいというとそうもいきません。

企業で使用されているコンピュータシステムは、検証して「OK」となったシステムしか一般社員が使用できないようにしています。これはアプリケーションが自動で更新され、未検証な状態になってコンピュータシステムが停止するようになれば業務が停止ししてしまいます。そうなると企業の信用問題になるリスクがあるからです。

また、ライセンス変更により、Windows以外のOSにもインストールできるようになりました。iOSやandroidも同じライセンスでインストールできますので、MS Office が使用できる環境が増えてきました。

そして、「.NET Framework」をオープンソースとして公開し、次期開発環境の「Visual Studio 2015」はマルチプラット開発が可能になりました。また、全機能を備えた無料版「Visual Studio Community 2013」の提供をする様になりました。

この流れは止められません。
これによって、Windows様に開発されたアプリケーションは、他のプラットフォームにどんどん移植していくようになり、1つのソースでどのプラットフォームでもネイティブアプリが開発されるようになります。

さらにその先に進むでしょう!?

その先は、Google社が先行して取り組んでおり、それは「Chromebook」の世界です。
アプリケーションはインターネット上にあり、パソコンにアプリケーションをインストールしないで使用する様になります。

現在は、パソコンにアプリケーションをインストール必要がありますが、アプリケーションはネットにログインして使用する様になります。
マイクロソフト社の「Ofiice365」にWeb版Officeがあり、簡単な編集は可能ですが、まだ機能的に十分ではありません。

Excelなどで作成した企業資産をWeb上で100%再現させることができていません。これはアプリケーション開発するに対する技術的な問題です。

これは時間の問題で、近い将来この問題も解決されると思います。そのようになれば、パソコンにアプリケーションをインストールする必要は少なくなってきます。

そうなれば、パソコンよりタブレットで仕事をする人が増えてきます。今後の企業情報はクローズ型のネットサービスに保存されるようになります。

これによって、ネット上に個人を含め情報を保存する様になりますのでハードデスクに情報を記録する必要性が少なくなり、500g以下の軽い情報端末で十分になります。

そう考えると、タブレット端末サイズでも十分にしごとができるようになります。


今後マイクロソフト社は、その世界に対応することが求められてくると予想されます。
OSにインストールして使用するアプリケーションやソフトウェアは、ユーザー企業の管理者からすると、バージョンアップのたびに全端末のバージョンアップをするのは、重荷のほかありません。

結論は、マイクロソフト社が自社のOSに特化した戦略から、オープンソースの世界、世界標準の世界で勝負する時代になってくることというのが今回の予想です。


勝手な予想に最後までお付き合いしてくださいましてありがとうございました。

2014年11月16日日曜日

「Microsft Officeはどこに行くのか!?」を予測する(2)

マイクロソフト社から新しいニュース

米マイクロソフトがサーバー用.NETをオープンソース化、Linux/Macに対応

が発表されました。その内容の驚いている方がいると思います。


マイクロソフト社が「.NET Framework 1.0」を発表した2000年に、オープンソースの .NET Framework 互換の「mono」が発表されました。

「.NET Framework」は、JAVA対抗戦略として発表されたものです。JAVAは中間言語という状態で実行ファイルが作成され、それを動作できるための実行環境があれば、どのプラットフォームでも動作する仕様になっていました。

「.NET Framework」も同様の仕組みで実行する様になています。そのため、本来は、どのプラットフォームでも動作できなければなりませんでした。

しかし、マイクロソフト社は従来の方法で仕様をオープンにしないところがあり、Windowsプラットフォーム以外では動作していませんでした。

オープンソースへの協力が活発化する様になり、3月31日に .NET財団(英語:.NET Foundation)に.NET Framework関連のオープンソース技術の開発と管理を移管する様になりました。

ようやっとマルチプラットフォームの道を歩み始めたというように思います。

ただし、マルチプラットフォーム戦略は、別の方法で実現する企業があります。それは、Google社とApple社とLinuxです。サーバー分野はもちろん、時計、車や制御機器の分野までカバーしつつあります。


≪前回の続き≫
更なる脅威とは何か?


パソコン分野はほぼWindows独占状態ですが、情報機器のすそ野はマイクロソフト社が予想している以上のスピードで広がりました。
それを実現したのは、Apple社の「iPod」です。天才ジョブス氏が考案した音楽プレーヤーです。

「iPod」はソニーの「WALKMAN 」が席巻していた携帯音楽プレーヤー市場をあっという間に奪ってしま下した。操作性、利便性、洗礼されたデザイン、機能、ステータスのすべていおいて優れていました。

携帯する情報機器で、重要な操作性やデザインなどがユーザー受け入れられたことは、ジョブス氏の発想に大きな影響があったのではないでしょうか?

この成功が、携帯電話+音楽プレーヤーの「iPhone」につながり、「ipad」につながった。そして今年は、「Apple Watch」が発表されました。このように携帯情報端末は大きく広がりました。


これに続くのが、Google社です。
Google社はインターネットサービスの王者です。次々と新サービスを無料で使用でき、「Google Map」などは日常生活で欠かせなくなってきました。
そのGoogle社がiPhone対抗馬として提供したのがスマートフォンなどの携帯機器用OS「android」です。「iPhone」のような操作性と利便性を備えており、メーカーは無料で使用できるため自社でスマートフォンを開発できるため、この分野に多くの企業が参入する様になりました。

一方、マイクロソフト社は、「Windows phone」を提供していましたが、仕様的に携帯電話の延長戦上にあり、操作性や利便性で魅力を欠くもので、メーカーがあまり採用しませんでした。
(筆者は使用していました(笑))

マイクロソフト社は、情報機器のすそ野開拓で完全に後れを取ってしまい、新市場が形成されてしまいました。つまり、参入して魅力的な商品やサービスはかなり難しくなりました。

ビジネス分野に強いマイクロソフト社は、Windows8に「iPhone」や「android」のような世界を取り入れましたが、操作性に「Vista」に続くユーザーの不満からPCの売れ行きは伸びていません。
次期Windows10 はWiindows7のスタートメニューを復活するという後手後手の対応になっています。

製品創りが「カスターマー・イン」ではなく「プロダクト・アウト」になっているということで、マイクロソフト社は顧客が見えていないことを物語っています。そして迷走しているということです。


サーバー分野の脅威は、仮想化です。
CPUやグラフィックスのチップ性能は高性能なため、ピーク性能においても余るようになりました。
その余る資源を有効活用する方法として仮想化技術が発達しました。

CPUやグラフィックスが仮想支援機構を持つようになり、仮想環境がネイティブ環境と遜色のないパフォーマンスで実行する様になりました。

この性能を外部に提供するのがクラウドサービスです。
クラウドサービスは、高価なサーバーを社内またはデータセンターに常時する必要がない企業や、ピーク時のために過剰な設備投資をしたくない企業にとっては有効な方法です。

クラウド上のサーバーと社内のサーバーを暗号化した通信で接続していれば、今までと同じ環境を社内やグループ間で利用できますので大変便利です。

この仮想化が、今までのCPUやコア数のライセンスでは適用しなくなりました。また、安くて安全な環境ならば、わざわざ高価なWindowsサーバーを利用する必要がないという企業が増えてきました。

Webやメールなどの情報系サーバーは世界標準が進み、Windowsサーバー以外のサーバーOSが活躍しています。LINUXなどはライセンスフリーやOSソースが公開されていますので、不具合箇所を自分で修正することもできます。

前から言われていることですが、WindowsサーバーはOSのソースが非公開のため、不具合が見つかってもマイクロソフト社が修正するまでは、対応できないジレンマがあります。

現在も、すべてのプラットフォームをWindowsで統一する企業が多くありますが、それ以外のプラットフォームの方が多くなりましたので、マイクロソフト社は無視できなくなりました。

それらのプラットフォームでも、今までの企業資産である社内ドキュメントが利用できる環境にしていく方が長期展望から得策と考えられると思います。

もはや、Windowsプラットフォームに固執していられなくなったということが言えます。
そのため、色々なプラットフォームにおいてもMicrosoft Officeを動作できるする必要が出てきたということです。

更にその次の予測を次回に書きます。



2014年11月9日日曜日

「Microsft Officeはどこに行くのか!?」を予測する(1)

昨日、『Office for iPhone』がリリースされ、今度は、基本的な機能を無料で使用できます。

マイクロソフト社がオフィスソフトの戦略を大きくかじ取りしてきていますので、大胆予測してみました。

私の勝手な予測なので、『当たるも八卦、あたらぬも八卦』です(^^;)


結論、『脱、マイクロソフト』


古くから業界にいる人はご存知のことですが、「Microsoft Office」が販売されたのは、Macからです。
PCのOSはDOSの時代で、そのころのPC用表計算ソフトは、ロータス1-2-3が席巻していました。

「Microsoft Office」が普及したのは、「Windows95」の発売により本格的GUIとDOSのメモリー制限である「640Kの壁」が撤廃されたことが大きいです。

日本でのPC販売は、「Windows95」と一緒に「Microsoft Office」がプリインストールされてましたので、別途ソフトを購入しなくてもワープロや表計算ができ、「Windows95」の普及とともに一気に拡大しました。

これはいわゆる抱き合わせ販売で、マーケティングが上手いといえますが、まだ公正取引委員会が適正な運営をできていなかったと思いたいですが、他のソフトハウスから違法性を訴えられてもおかしくないことです。

ところが、インターネットの普及とともにマイクロソフト社優位という状況が変わってきました。

「Linux」のようなオープンソースの台頭と、共有・公開を理念として無料でサービスを公開する「Google」の出現です。

品質のいいものが無料で使えるならば、わざわざお金を払ってまで今までのものを使おうとは思わないものです。

また、サーバー環境は、「VMware」から普及したサーバーの仮想化に始まり、必要に応じてリソースを変更できるクラウドサービスの出現です。

今までは、企業がすべての環境を負荷状況予測しながらリソースを資産投資をしてきました。しかし、フルシーズンでそのリソースを常に必要としているわけではないので、過剰投資になることがありました。その解決策としてクラウドサービスが普及してきました。

業界関係者からよく聞くことをまとめると、将来の危険分子に対し、マーケチングやM&Aなどのあらゆる手段で危険分子が消滅する様に対応してきました。
しかしこれらの流れを帰ることができなくなってきました。

さらに、スマートフォンやタブレット端末の普及でiOSやAndroidが普及してしまい、マイクロソフト社はもはや無視できない状況になってきたことを認識してきたということです。

Windowsの世界にユーザーを囲い込んでおくことは不可能になりましたので、今までの戦略、ビジネススタイルは通用しなくなったことを意味します。そのため事業の将来を見た時に、明らかに暗雲が差し迫ってきたと見ることができます。



敵対的から友好関係へ

Linuxが普及し始めたころのマイクロソフト社の対応はOSS(オープンソースソフトウェアの略)に敵対的だったことが、1998年より内部文書がリークされる(ハローウィン文書)ことで明確になった。
ところが、2012年からは対照的で、積極的な支援をするようになってきました。

OSSを開発コミュニティーのパワーと品質について、素晴らしさを見込めたことを意味しています。彼らを取り込まなければこれからのビジネスが成り立たなくなるので、支援してWindowsをもっと普及させ、ミッションクリティカルなシステムにおいても利用される実績を拡大していこうとされたと思います。

Windows2000サーバーには、497日問題があり、サーバーをリブートする必要がありました。
そのため、常時起動して運用することができないという問題があり、多くの企業が運用で頭を痛めていました。


しかし、OSSの開発スタイルにより多くの変化が生じました。それにより更なる脅威が迫ってきたのです。

≪次回に続く≫



2014年11月3日月曜日

インターネット以降のシステム開発が変わったこと

パソコンが、一人一台になる前は、「ウォーターフォールモデル」がシステム開発の主流だった。
それ以降はさまざまな方法が模索され、現在は、「アジャイル型」と呼ばれる短期開発が増えてきました。

インターネットの普及により、ブラウザで様々な情報を検索し、表示することができるようになりました。

現在は、ブラウザ上で動作するソフトがWebサービスと連携して、専用ソフトをパソコンにインストールしなくても動作する環境が整って来ています。


ネットワークサービスがなかった時代は、すべてを開発しなければユーザーの要求仕様を実現できないために、1から作る必要がありました。

しかし、地図サービスなどのような有益なWebサービスの出現により、有益なサービスと連携した高度なシステムについて、その開発期間を短縮して提供可能な時代になりました。


ブラウザが扱う情報は世界標準化されてますので、ブラウザが解析できるものは実現できる時代になりました。


クライアント側で動作するブラウザは、エンジンの役割です。

その上にのるボディーは、コンテンツということになります。


最初は、HTML形式のテキストファイルしかエンジンは解析できませんでしたが、現在は、ハードウェアのスペックが良くなったことでビデオ再生まで可能になりました。

また、GoogleがJavascriptをコンパイルして動作する仕組みをChromeに搭載してからは、より高度なことを高速に処理できるようになりました。このJavascriptコンパイラは、エンジンにターボが搭載されたようなものです。

これによりゲーム機並みのクオリティの高いゲームが、ブラウザ上で実行できます。


まとめると

  1. システム開発は、エンジンとコンテンツに分けて開発する時代になった。
  2. エンジンは拡張可能に作り、ターボ機能に相当するコンパイル機能を付加することもできることが求められる。
  3. コンテンツは世界標準規格を活用すると短期開発が可能である。

以上